「麻しん(はしか)」と「風しん」のワクチンについて

 平成18年4月1日から「麻しん(はしか)」と「風しん」の予防接種制度が大きく変わりました。更に平成18年6月2日より変更があり、ワクチン接種をしやすい環境になってきています。主な改正点などは次の通りです。

・県内及び全国の動向

県内の発生動向
  秋田県内の発生報告は毎週指定された35の医療機関から殆どありません。
全国の発生動向
  国立感染症研究所より発行されている感染症週報第16週http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/idwr/idwr2006/idwr2006-16.pdf)で茨城県及び千葉県で麻しん(はしか)の集団発生が報告されました。麻しんは集団発生が起きると「重篤な合併症例」や「死亡例」が報告されることがあります。麻しんはワクチン接種により予防が可能な感染症です。1歳以上で麻しん風疹混合ワクチン(MRワクチン)または麻しんワクチンを接種されていないお子様はなるべく早くワクチンを接種することをお勧めします。

・改正点など

1. 平成18年4月1日改正
1) 麻しん(はしか)風しん混合ワクチン[MRワクチン]の接種のみとなりました
(平成18年3月31日まで:単抗原の「麻しん(はしか)」ワクチン及び「風しん」ワクチンの接種)
2) 2回接種制度が導入されました。(図)
 1期(1回目):1歳の誕生日前日から2歳未満
 2期(2回目):小学校入学前1年間の小児(入学前年度の4月1日〜3月31日)
3) 利用可能なワクチン
MR混合ワクチンのみ

2. 平成18年6月2日改正(現在の制度)
1) MR混合ワクチンの他に単抗原「麻しんワクチン」と単抗原「風しんワクチン」が利用可能になりました
(麻しんまたは風しんにかかってしまっても単抗原ワクチンの接種が利用可能になりました)
2) 2回接種制度の導入(図)
 1期(1回目):1歳の誕生日前日から2歳未満
 2期(2回目):小学校入学前1年間の小児(入学前年度の4月1日〜3月31日)
3) 利用可能なワクチン(接種に関してはワクチン接種の可否参照)
・MR混合ワクチン
・麻しんワクチン(単抗原)
・風しんワクチン(単抗原)

・ワクチン接種の可否

 平成18年6月2日に予防接種法の施行令などが改正されました。これに伴う改正点は次の通りです。

1)「麻しん」または「風しん」に罹って(かかって)しまった
□単抗原ワクチン・・・1期、2期ともに接種可能
□MR混合ワクチン・・・1期、2期ともに接種不可
 ○麻しんに罹ってしまった場合: 風しんワクチン(単抗原)接種可能(1期、2期ともに)
 ○風しんに罹ってしまった場合: 麻しんワクチン(単抗原)接種可能(1期、2期ともに)
 ×麻しんに罹ってしまった場合: MR混合ワクチン接種不可(1期、2期ともに)
 ×風しんに罹ってしまった場合: MR混合ワクチン接種不可(1期、2期ともに)

2)1期で「麻しんワクチン」または「風しんワクチン」の単抗原ワクチンを接種した・・・2期の接種可能
  ○1期で麻しんワクチン(単抗原)または風しんワクチン(単抗原)の一方だけを接種した場合
   ・・・2期でMR混合ワクチン接種可能
      ☆ただし、「麻しん」または「風しん」に罹ってしまった場合は不可
      ☆その場合、「麻しん」または「風しん」に罹っいない方の単抗原ワクチン接種可能
  ○1期で麻しんワクチン(単抗原)及び風しんワクチン(単抗原)の両方を接種した場合
   ・・・2期でMR混合ワクチン接種可能
      ☆ただし、「麻しん」または「風しん」に罹ってしまった場合は不可
      ☆その場合、「麻しん」または「風しん」に罹っていない方の単抗原ワクチン接種可能

3)1期でMR混合ワクチンを接種した・・・2期の接種可能
  ○2期でMR混合ワクチン接種可能

・注意事項

 定期予防接種扱いにならない場合は任意での接種が可能です(注)。また、「麻しん(はしか)」と「風しん」の予防接種を受けていないお子さまは、かかりつけ医とよく相談してください。
 任意接種の場合におけるワクチン接種費用などの詳細については市町村により異なる場合があります。お住まいの市役所または町村役場などにご確認ください。

(注)平成18年4月1日の法律改正以降も市町村によって期間限定で単体の麻疹ワクチンと単体の風疹ワクチンを市町村の全額負担にしたり、一部自己負担にしたりしている場合もあります。また、平成19年3月31日までの間、法律に基づかない対象者でも、次の条件1)〜3)の全てを満たす場合市町村の地域の実情に応じて予防接種費用の負担や補償の対象となる場合があります。お住まいの市役所または町村役場などにご確認ください。

    1) 平成18年4月1日以前に対象であったお子さん
    2) やむを得ない事情により接種出来なかったお子さん
    3) 平成18年4月1日以降対象とならなかったお子さん

・麻しん集団感染による健康被害

  麻しんはワクチン接種により予防が可能な感染症です。1歳の誕生日を迎えたらMR混合ワクチンまたは麻しん単抗原ワクチンの接種をしましょう。WHOは麻しんワクチン接種割合を95%以上にすると集団発生が予防でき、健康被害が防止できると報告しています。集団発生が起きると、脳炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性が高くなります。自然に感染した場合とワクチン接種による場合とを比較した報告があります。麻しんにかかった場合脳炎を合併症として発症する可能性は1000人に1人であるのに対して、ワクチン接種で脳炎を合併症として発症する可能性は100万人に1人です。副反応としてワクチン接種で脳炎が起こる可能性は麻しんに罹ってしまった場合のと比べ低く(1000分の1)なっています。
表 急性脳炎の発症率 (出典:日本版小児感染症の手引き)
 麻疹罹患による発症 1000人に1人
 麻疹ワクチン接種による発症  100万人に1人

・妊娠初期の風しんによる健康被害

  風しんは妊娠初期にかかると生まれてくる子供が先天性の障害を起こす出生児に先天性風疹症候群(CRS)の児が生まれてくる可能性が高くなります。主な奇形及び障害は次の通りです。
   (1) 先天性白内障、または緑内症
   (2) 先天性心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、心房中隔欠損など)
   (3) 感音性難聴
   (4) 網膜症
   (5) 骨端発育障害(X 線診断によるもの)
   (6) 低出生時体重
   (7) 血小板減少性紫斑病(新生児期のもの)
   (8) 肝脾腫

図 麻しんと風しんのワクチン接種

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