<9月28日は、世界狂犬病デーです!>

 狂犬病は日本・英国・オーストラリア・スカンジナビア半島の国々など一部の地域を除いて、未だに世界の多くの地域で発生しており、年間約6万人が亡くなっています。ヒトや動物における狂犬病の現状と予防法などの啓発を目的として、狂犬病ワクチンを開発したパスツールの命日にちなみ、2007年に9月28日が世界狂犬病デー(World Rabies Day)に制定されました。

■日本における発生状況
 日本では、狂犬病予防法の施行により、1957年のネコの事例を最後に、狂犬病の発生はゼロとなりました。しかし、海外で感染したヒトが帰国後に発症する輸入症例として、1970年1例、2006年2例、2020年1例の報告があります。

★★★日本と同様に清浄国・地域とされていた台湾で、2013年に狂犬病ウイルスに感染した野生のイタチアナグマが確認されました。さらに、イタチアナグマに咬まれた犬の発症例も報告されています。“狂犬病の発生は無い”とされている国・地域であっても、ウイルスが野生動物の間で維持されていたり、発生地域からの動物の輸入により国内にウイルスが持ち込まれたりする危険性があります。★★★

■感染源・症状
 狂犬病はイヌだけの病気ではなく、ほとんどの哺乳類が感染し、感染源となる可能性があります。イヌの他にネコ、アライグマ、キツネ、コウモリ等が感染源となった例が報告されています。狂犬病ウイルスは感染動物の唾液に含まれ、咬まれたり、傷口をなめられたりすることで感染します。一般的に1ヶ月〜3ヶ月程度の潜伏期の後、液体を飲もうとすると筋肉がけいれんする恐水症や興奮、麻痺、錯乱等の神経症状が現れ、最終的に呼吸麻痺で死亡します。医療の進んだ現代においても、残念ながら発症後の有効な治療法は見つかっていません。

■予防
・海外ではむやみに動物と接触しないようにしましょう。もし海外で動物に咬まれたり引っかかれたりした場合は、直ちに石けんと流水で傷口を洗った後、医療機関を受診してください。早期の複数回のワクチン接種により、発症を防ぐことが可能です。
・日本では法律により、全てのイヌが狂犬病の予防注射を年1回受けることになっています。イヌを飼育されている方は、必ず接種を受けさせてください。イヌのワクチン接種はヒトの感染予防にもつながります。

※国内でイヌに咬まれた場合、当該イヌを2週間健康観察し、その期間中に発症しなければ、ヒトへの感染の可能性はないと判断されます。医療機関受診に併せて保健所にもご相談ください。